先進事例集

先進事例集

先進事例集写真

「持続可能で豊かな地域社会・エコシティーを創るためにはどのような共通する要件があるのだろうか」、これは私たち環境NGOのみならず、自治体の方にとっても非常に重要な関心事であると思います。ドイツの環境首都になった自治体への視察や情報交流、主催団体である「ドイツ環境支援協会」との意見交換、そして本コンテストやパートナーシップ事業の実施を通じて、次の7つの要件が見えてきました。

  1. 各セクターにリーダーシップがある人がいること。またそのような人を創り出して行くこと
  2. 特性を生かした素晴らしい持続可能な地域の将来像を描き共有すること
  3. パートナーシップ、参画と対話を自治体運営の基礎にすえること
  4. 環境、経済、社会(的公正)の3要素を併せた事業、活動を優先すること
  5. そのため行政組織の縦割り弊害を除去し、施策の統合化を図ること
  6. 施策や活動が戦略的に構成されるような計画(総合計画、アジェンダ21、環境基本計画等)を策定し、運用すること
  7. 地域で変化が実感できる、具体的事例、先進的事例を創り出して行くこと

この(1)〜(6)に具体的かつ積極的に取り組んでいくことによって(7)が生まれてくるようになり、その事例が増えることによって、人々に勇気と変化を肯定的に捉える確信を与え、(1)〜(6)をさらにすすませる相乗的な効果をもたらすと考えられます。

この先進事例集は、まさにその効果を各自治体内にとどめず、他の自治体との情報交流の中で促進しようという意図で作成しています。その量と質は、私たちの当初の予測をはるかに上回るものであり、閉塞感が漂う日本社会を打破するのは、地域からであると確信させるものです。

本事例集は、自治体へのヒアリングに基づいて記載いたしましたが、その視点はあくまでも私たち環境首都コンテスト全国ネットワークに参加するNGOのものです。つまり環境問題に関心のある市民から見て、素晴らしい取り組みであり、他の自治体の参考になると評価したものを集めました。それゆえ、自治体行政や専門家の視点からは若干のズレがあるかもしれません。ただ、この市民的視点が、私たちとしては重要ではないかと考えています。

また、「先進」という言葉も、単に目新しいという意味ではなく、持続可能な地域社会を形成していくために必要とされている課題に対して、積極的に取り組まれているという意味を持たせております。本事例集に掲載した施策は日本の全ての自治体にとって、参考にしていただけるものだと考えています。

ぜひ、この事例集とともに積極的に活用を図られ、取り組み情報の交流にとどまらない、人の交流、自治体とNGOや住民との交流にも広がり、持続可能な地域社会づくりが進んでいくことを期待しております。

独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて製作しました
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