環境首都コンテストは独立行政法人環境再生保全機構・地球環境基金から助成をいただいて開催しています。
募集方法
毎年夏、全国の自治体に一斉に公募開始の案内を出します。その他、過去参加自治体へ連続参加を呼びかけたり、環境モデル都市*へ応募した自治体など、環境に熱心な自治体へ強く参加を求めたりしました。また都道府県にも市区町村への紹介協力を要請するなど、さまざまな手段を通じて広報を行いました。環境問題に対する自治体の意識の高まりや本コンテストの社会的認知の高まりもあってか、これまでコンテストに参加したことのない自治体の本コンテストへの反応も積極的なものが多くありました。
*環境モデル都市:2008年1月の福田前内閣総理大臣施政方針演説を受け、「都市と暮らしの発展プラン」に位置づけられた取り組みの具体化の一環として、温室効果ガスの大幅な削減など低炭素社会の実現に向け、高い目標を掲げて先駆的な取り組みにチャレンジする都市。応募した全国89自治体の中から、今回コンテストに参加した水俣市、飯田市、梼原町を含む13自治体が政府により選ばれた。
構成分野と配点
質問では、持続可能な地域社会の実現のためにNGOが重視する取り組みの有無を聞きます。見方を変えれば、質問内容がNGOから自治体への施策提案にもなります。
質問は15分野、全約80問で構成、全200ページを超える質問票(冊子)となります。
配点は計1020点、分野ごとに独自に重みづけをしています。自由記述は質問票では捉えきれない取り組みのアピールをしてもらうところ。先進事例集に掲載される取り組みへの加点もあります。
- A ローカルアジェンダ21・環境基本条例・環境基本計画(配点95点)
- B 環境マネジメントシステム(配点45点)
- C 住民とともにチェックする仕組み・情報公開(配点45点)
- D 自治体内部における環境基本行動(配点45点)
- E 自治体交流(配点40点)
- F 職員の資質・政策能力の向上と総合的な行政推進と予算編成(配点75点)
- G 住民のエンパワーメントとパートナーシップ(配点85点)
- H 環境学習(配点85点)
- I 自然環境の保全と回復(配点70点)
- J 健全な水循環(配点40点)
- K 風土を活かした風景づくり(配点55点)
- L 持続可能なまちづくりと一体化した交通政策(配点85点)
- M 地球温暖化防止・エネルギー政策(配点85点)
- N ごみの減量化(配点60点)
- O 環境に配慮した産業の推進(配点60点)
- P 自由記述(配点30点)
- 先進事例加点(配点20点)
回答の方法
質問の内容は環境部署の所管事項に限られない、全庁的なものです。取りまとめ担当の方が質問内容を吟味し、回答部署・担当者を洗い出します。庁内から集まった各回答を質問票(冊子)に集約していただき、ご提出ください。
スケジュール(第10回の場合)
回答チェックの体制・方法
全国を対象とするため、ネットワークを構成する13のNGOが地域別に担当を分け、参加自治体をフォローします。
採点には分野ごと、自治体ごとに採点者が分かれ、スタッフは総勢50人を超えます。採点はすべて本業の傍らボランティアで行います。自治体から提出された膨大な回答資料を、独自の採点基準に照らしてチェックします。単なるアンケートと異なり、質問の趣旨に合わない回答はあれば、趣旨やこちらの意図を丁寧に説明、修正を求めます。こうして回答書類を約2か月かけて詳細にチェック、採点します。書類上のチェックだけでなく、自治体を訪問ヒアリングしたり、電話、メールで何度も内容を確認してネットワークと自治体双方で確定した回答をつくりあげていきます。この過程はお互いの学習や信頼関係の構築につながる大切なものです。
コンテストの調査結果報告とフォローアップ
本コンテストの主な目的は、いたずらに順位を競わせることではなく、参加自治体がその結果を今後の環境政策・施策の向上に活かしていけるよう支援することにあります。結果は「報告書」と「先進事例集」としてまとめ、参加自治体に配ります。上位自治体を公表、表彰状を贈ります。また、遅れている分野、すすんでいる分野が一目で分かる情報をグラフなどで提供するほか、自治体によっては結果を用いた学習会、研究会なども実施して今後の環境施策の企画・立案・評価などに活用してもらいます。
参加で得られるツール
- 各質問に対する単純集計、クロス集計などのコンテスト分析結果を「報告書」でお知らせします。
- コンテスト参加自治体の取り組みの中から先進的な事例をまとめた「先進事例集」を配付します。
- 貴自治体の得点と順位および結果分析に役立つレーダーチャートをお知らせします(ただし、 上位自治体以外の得点は公表いたしません)。
- 優れた事例については、了承を得たうえで自治体名を明らかにして紹介いたします。
- 先進事例集掲載事例をさらにわかりやすく、映像で紹介した「映像版先進事例集(DVD)」をお渡しします。
人口群
人口規模によって取り組む環境政策課題が大きく異なるため、参加自治体を六つの群に分けています。
- 第1群(2万未満)
- 第2群(2万以上5万未満)
- 第3群(5万以上10万未満)
- 第4群(10万以上30万未満)
- 第5群(政令市を除く30万以上)
- 第6群(政令市)
「日本の環境首都」の条件
- 総合で第1位であること
- 総合点が満点の70%以上であること
- 15項目中、3項目以上が満点の90%以上の点数を得ていること
- 15項目中、満点の50%以下の点数の項目が3項目以下であること
表彰制度
本コンテストでは、参加自治体を得点順に並べた総合上位10位のほか、権限も財源もマンパワーも異なる自治体を一律で評価することには問題があるため、人口規模別上位も公表・表彰しています。また、重点テーマを絞って評価する部門別表彰や分野ごとの上位1位、選出した先進事例の中から特に評価に値する事例に対する先進事例特別表彰、5年連続参加に対する奨励賞など、計7種類で自治体を公表・表彰しています。これは、できるだけ多くの点で優れた自治体の取り組みが社会に情報発信されることで、参加のモチベーションを上げ、環境施策の向上につなげるためです。
表彰の種類
- 総合得点による表彰
1020点満点中、総得点上位10位以内を表彰します。 - 人口規模別得点による表彰
総合順位のうち、人口規模ごとに原則として上位2自治体を表彰します。
ただし、この表彰は、ひとつの群が4自治体以上である場合のみ行い、ひとつの群が20自治体以上であれば上位3位まで表彰します。 - 部門別表彰
持続可能な地域社会を創る上で特に重要と考えられる「地球温暖化防止」と「住民参画」の2部門で表彰します。
これら二つの部門に関する取り組み内容は、本コンテストの質問全般に関わっています。そこで、これらの要素が含まれる選択肢をそれぞれ抽出し、それらの選択肢への得点を積算した結果、群ごとに1位を表彰しています(ただしひとつの群が4自治体以上である場合のみ行います)。 - 先進事例特別表彰
コンテストの質問票への回答および自治体へのヒアリングをとおして、「環境首都コンテスト全国ネットワーク」の構成員からなる委員会で選考した「先進事例」の中から、評価が高かった事例に対して、特別表彰を行っています。 - 奨励賞
本コンテストに、継続的に参加することに意義があると考えています。そこで直近の回からさかのぼって5回連続で参加していただいた自治体を奨励します(ただしこれまでに奨励賞を受賞したことのある自治体を除く)。