第2回の結果概要

応募の状況

(1)参加自治体総数の変化

今回、本コンテスト参加自治体総数は115自治体となりました。前回(第1回)が93自治体であったのと比較すると、全体で22自治体の増加でした。

今回、新規に参加した自治体は48自治体、第1回に引き続き参加した自治体は67自治体、前回参加して今回参加しなかった自治体は26自治体でした。

本コンテスト募集時、第1回参加自治体の中には、「昨年度から施策の中身が変わっていないため、今回は参加を見合わせ、3年後くらいに改善できてから参加する」というような理由で参加されなかったところがありました。しかし、今回のコンテストの質問内容も「質問の特徴」で後述しているように「進化」しています。参加自治体の回答をできるだけ次回の質問内容に反映させ、できるだけよい意味で評価したいと考えております。そのことを考えれば、前回は参加されていたものの今回は参加されなかった自治体が26あったのは残念ですが、67自治体が継続され、48自治体に新規参加していただいたことは喜ばしいことです。今後も継続、新規参加自治体が増え、自治体の環境施策を経年的に把握し、改善につなげていけるよう、全自治体に強く呼びかけたいと思います。

(2)参加自治体の特徴(人口規模別)

人口規模別に見ると、第1,2,6群では、参加自治体数の伸び悩みがあります。一方、第4群(13自治体増)、第5群(8自治体増)で増加傾向が著しいことがわかります。これらの規模の自治体は人口や産業構造、地理的要素が共通しているものが多く、他自治体との比較意識が強く働いた結果と見ることもできるでしょう。

次に、群別の継続参加率を見てみると、第6群が75%、第5群が50%、第4群が48%、第3群が71%、第2群が67%、第1群が58%となっています。これを見ると、今回参加数が伸びた群で継続参加率が低いことがわかります。繰り返しになりますが、継続参加されることで自治体の現状を正確に把握し、環境施策の改善に結びつきます。コンテストへの参加を介して自治体とNGOのネットワークをより確かなものにできるよう期待しております。

(3)参加自治体の特徴(地方別)

地方別に見ると、北海道、四国、九州各地方では微減、その他の地方では増加しました。中でも、関東(10増)、中部(6増)、近畿(7増)の各地方の増加が著しいことがわかります。

東京都では4増、愛知県では5増、兵庫県、大阪府では各2増など、傾向として大都市圏の自治体の参加が増加したと言えます。

一方、北海道(2減)、四国(2減)、九州(1減)の各地方では参加自治体が減少しました。関東、中部、近畿を除いて、相対的に参加自治体数が伸びていません。愛知県、三重県、兵庫県、高知県には県下の自治体にコンテストへの参加呼びかけに協力いただきました。各地のNGOや個人の方からも協力したいとの問い合わせも出てきており、マスコミを通じてもコンテストの輪が広がりつつあります。今後、より効果的な自治体への情報発信方法を取り入れ、同時に各地方で活動するNGOにコンテストへのさらなる賛同・協力を求めていきます。

参加自治体一覧

集計結果の概要

(1)「日本の環境首都コンテスト」の称号

「日本の環境首都」の条件を満たした自治体はありませんでした。

(2)入賞・表彰自治体

今回のコンテストの結果は以下のようになりました。総合順位では上位2位が政令指定都市でしたが、第3位に人口約3万人の水俣市が入りました。上位10位には政令指定都市3自治体、人口30万人以上の自治体が3自治体入りましたが、それより小さい人口規模の自治体から、水俣市のほか、飯田市、高山市、多治見市が入り、健闘が光りました。人口規模別の順位では、人口2万人未満の第1群で揖斐川町が第1位となりましたが、総合順位でも上位に食い込んでいます。

また、前回と同様、地球温暖化防止部門と住民参画部門の部門別の集計も行いました。これは、質問の中でそれぞれの部門に関係する質問や選択肢を抽出し、集計したものです。

総合順位(上位10位)

第1位 福岡県福岡市
第2位 宮城県仙台市
第3位 熊本県水俣市
第4位 長野県飯田市
第5位 兵庫県尼崎市
第6位 広島県広島市
第7位 熊本県熊本市
第8位 岐阜県高山市
第9位 神奈川県藤沢市
第10位 岐阜県多治見市

人口規模別順位(上位2位)

人口2万人未満 第1位 岐阜県揖斐川町
第2位 岩手県東和町
人口2万人以上5万人未満 第1位 熊本県水俣市
第2位 愛知県新城市
人口5万人以上10万人未満 第1位 岐阜県高山市
第2位 大分県日田市
人口10万人以上30万人未満 第1位 長野県飯田市
第2位 岐阜県多治見市
政令指定都市をのぞく人口30万人以上 第1位 兵庫県尼崎市
第2位 熊本県熊本市
政令指定都市 第1位 福岡県福岡市
第2位 宮城県仙台市

部門別表彰(人口規模別上位1位)

地球温暖化
防止部門
人口2万人未満 岐阜県揖斐川町
人口2万人以上5万人未満 熊本県水俣市
人口5万人以上10万人未満 岐阜県高山市
人口10万人以上30万人未満 東京都三鷹市
政令指定都市をのぞく人口30万人以上 兵庫県尼崎市
政令指定都市 福岡県福岡市
住民参画部門 人口2万人未満 岐阜県揖斐川町
人口2万人以上5万人未満 熊本県水俣市
人口5万人以上10万人未満 岐阜県高山市
人口10万人以上30万人未満 東京都日野市
政令指定都市をのぞく人口30万人以上 神奈川県藤沢市
政令指定都市 福岡県福岡市

(3)全国の自治体平均値・最高点

全体の平均点の得点率が最も高いのは、「E 率先行動・エコオフィス」(平均点:17.5点、得点率:40.6%)で、次いで「O ごみの減量化」(平均点:19.7点、得点率:37.2%)、「B 環境基本条例・環境基本計画」(平均点:35.4点、得点率:36.8%)、「L 景観まちづくりと公園」(平均点:13.6点、得点率:34.8%)となっています。

一方、「A ローカルアジェンダ21」(平均点:2.9、得点率:3.6%)、「F 国内外の環境自治体交流」(平均点:1.3点、得点率:5.3%)、「G 環境行政の総合化、予算、職員のエンパワーメント」(平均点:7.8点、得点率:8.0%)、「H 市民のエンパワーメントとパートナーシップ」(平均点:7.6点、得点率:9.9%)に関しては、全国的にまだその取組みが進んでいないことがわかります。特に「G 環境行政の総合化、予算、職員のエンパワーメント」は最高点が29点(得点率:29.9%)であり、その取組みが遅れているといえます。

人口規模別に見ると、平均点は人口規模が大きくなるほど高くなる傾向があり、最高点を獲得しているのも人口規模第6群が大半を占めています。しかし、「A ローカルアジェンダ21」、「B 環境基本条例・環境基本計画」、「O ごみの減量化」、「P 環境に配慮した産業の推進」では、中小規模の自治体の中にその取組みの進んでいる自治体が存在し、これらの分野では地域の実情に合わせた取組みが各地で行われつつあることを示しています。特に、「B 環境基本条例・環境基本計画」と「P 環境に配慮した産業の推進」で、人口規模第2群の自治体が最高得点を獲得していることは注目に値します。しかし、「M エコロジカルな交通政策」と「N 地球温暖化防止、エネルギー政策」については、第6群以外の自治体の得点率が特に低くなっており、今後の積極的な取組みが望まれます。

質問項目 配点 平均点(最高点)
全体 第1群 第2群 第3群 第4群 第5群 第6群
A ローカルアジェンダ21

82

2.9

(53)

2.8

(29)

0.9

(4)

2.5

(36)

1.7

(10)

3.9

(24)

20.0

(53)

B 環境基本条例・環境基本計画

96

35.4

(81)

15.9

(62)

24.2

(81)

32.6

(73)

45.6

(73)

39.7

(73)

47.0

(57)

C 環境マネジメントシステム

44

11.2

(35)

5.9

(22)

9.6

(28)

10.4

(28)

11.9

(29)

13.1

(35)

22.0

(35)

D 積極的な情報公開

43

9.4

(31)

4.0

(28)

5.0

(29)

4.9

(21)

13.2

(31)

12.8

(26)

21.3

(29)

E 率先行動・エコオフィス

43

17.5

(32)

10.5

(24)

14.4

(27)

17.5

(26)

18.4

(28)

20.7

(28)

26.0

(32)

F 国内外の環境自治体交流

25

1.3

(14)

0.3

(3)

1.1

(8)

0.7

(6)

1.3

(8)

1.7

(9)

7.0

(14)

G 環境行政の総合化、予算、職員のエンパワーメント

97

7.8

(29)

4.0

(11)

5.9

(23)

6.7

(22)

7.4

(29)

11.5

(22)

17.0

(23)

H 市民のエンパワーメントとパートナーシップ

77

7.6

(40)

2.7

(12)

4.1

(19)

7.7

(23)

7.2

(20)

9.9

(29)

28.8

(40)

I 環境学習

75

13.9

(61)

6.3

(21)

6.8

(26)

10.6

(35)

15.1

(42)

19.5

(50)

46.5

(61)

J 自然環境の保全と回復

71

12.9

(50)

6.0

(16)

8.2

(33)

10.3

(38)

14.1

(37)

17.7

(34)

33.8

(50)

K 水利用と処理、雨水利用

36

10.0

(29)

3.6

(12)

7.2

(16)

6.7

(20)

12.1

(28)

13.8

(25)

21.5

(29)

L 景観まちづくりと公園

39

13.6

(35)

4.1

(12)

7.1

(25)

10.3

(29)

17.4

(32)

19.1

(29)

26.8

(35)

M エコロジカルな交通政策

58

8.2

(40)

5.0

(12)

4.8

(17)

6.5

(17)

8.3

(30)

11.7

(31)

23.3

(40)

N 地球温暖化防止、エネルギー政策

77

13.6

(42)

6.4

(18)

9.3

(31)

10.5

(24)

15.5

(36)

17.9

(38)

34.3

(42)

O ごみの減量化

53

19.7

(40)

10.2

(24)

17.0

(30)

19.2

(29)

20.5

(38)

24.9

(40)

29.3

(32)

P 環境に配慮した産業の推進

54

10.6

(42)

7.6

(17)

9.7

(42)

6.2

(25)

11.2

(36)

14.8

(31)

22.0

(31)

自由記述

30

6.6

(30)

7.2

(27)

5.4

(30)

4.8

(24)

6.0

(30)

8.0

(23)

17.0

(25)

総合点

1000

202.4

102.3

140.8

168.2

227.0

261.6

443.3

独立行政法人環境再生保全機構地球環境基金の助成を受けて製作しました
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