これまでに例のない、持続可能な地域社会づくりのためのNGOのネットワークと自治体の共同プロジェクトであるため、まず何から手をつければいいのか打ち合わせを行いました。まずは環境首都コンテストから見える多治見市の問題・課題を洗い出し、ネットワークと自治体で共有することが重要であるということになりました。そこで、コンテストの項目ごとの採点者を講師に、複数回にわたって勉強会を開催することになりました。
各回の概要
学習会 第1回 2004年11月20日 於:多治見市役所
(参加者)ネットワーク:6名 多治見市:4名
(1)多治見市の現状報告
- 名古屋市への回帰現象や自然減に伴う人口減少
- 市民活動と行政の連携の限界が見えている
(2)第五次総合計画の見直し作業
- 「実行計画シート」の作成により進捗状況を誰でも簡単に把握できる
- 市民参画が明記されれば、まさに「ローカルアジェンダ」になる
- 全体の進行管理は“市民懇談会”が行っており、市民参画を果たしている
- 各事業に“優先度”をつけることによって無駄な事業をなくし、財政的の健全化を進める
学習会 第2回 2004年12月9日 於:多治見市施設
(参加者) ネットワーク:7名 多治見市:4名
第3回コンテストにおける結果分析
「A ローカルアジェンダ21・環境基本条例・環境基本計画」より
- 個々の施策や事業にとどまらない市民とのパートナーシップの構築をすべき
- 環境基本計画のなかに“市民の生活”という視点をもっといれるべき
「B 環境マネジメントシステム」より
- EMSの監査に関する政策がまだ不十分
- EMSの効果を地域へ波及させるという認識が不十分
(EMS取得が最終目的になってはいけない)
学習会 第3回 2005年2月9日 於:多治見市役所
(参加者) ネットワーク:8名 多治見市:6名
第3回コンテストにおける結果分析
「C 住民とともにチェックする仕組み・情報公開」より
- 環境報告書作成段階においてもっと住民の参加を促すべきではないか
- (1)報告書の活用、(2)環境基本計画との整合性、などの観点から分かりやすさを追求していくべき
「D 率先行動・エコオフィス」より
グリーン購入の割合を金額で把握してはどうか
今後の展開
当面は、第3回のコンテストにおける多治見市の結果分析に基づく勉強会を継続しつつ、情報共有や将来像のイメージづくり、今後の課題の洗い出し等を進めていく予定です。また、できるだけ早期に多治見市で活動している住民団体などと会合を持ち、コミュニケーションや共同作業の基盤構築を図りたいと考えています。具体的には、市の環境報告書を住民と行政のコミュニケーションツールとして機能させるべく、様々な提案を私たちネットワークのから行うとともに、実際にそのプロジェクトを動かしていくこと等を予定しています。
これまで本コンテストや「環境自治体をつくる市区町村長と環境NGOの戦略会議」等の開催を経て培ってきた経験と知識をフルに活用して、日本の、いや世界の模範となるような「モデル地域」の実現に務めていきたいと考えています。
※今後、Webサイト等で随時本プロジェクトの進捗状況を公開していけるよう準備をすすめております。