山形県の北端に位置する遊佐町は海・川・山・温泉など自然に恵まれた町です。遊佐町のシンボルはなんといっても鳥海山。アカデミー賞を受賞した映画「おくりびと」で本木雅弘さんがチェロを弾くシーンで背景にしていたのが、遊佐町の月光川河川敷から見える鳥海山です。遊佐町はこの鳥海山の山麓に広がる三角州に位置する町で、町内各地に水が湧き出ています。牛渡川は、100%湧水の川でNHKの「生き物世界紀行」で紹介されて知られるようになりました。その他にも胴腹滝や三神の水をはじめ、町内のいたるところで水が湧き出ています。(ちなみに供給されている水道水も100%地下水です)そして、この水は遊佐町の米作りの源となる共に、日本海で海水と混じりあい一度食べたら忘れられない遊佐町特産の夏牡蠣を育んできました。鳥海山は修験者のいる信仰の山でもありました。現在でも頂上には鳥海山大物忌神社の本社が鎮座しています。私たちにとって、この山は心のふるさとであり、生活の基本であり、子孫に残さなければならない大切な財産です。米作りでも自然にやさしい有機農業の農家が多く、耕作放棄地の削減と食料自給率の向上のため、いち早く飼料用米の栽培を始めるなど、自然環境に配慮した産業の育成に町民と共に取り組んできました。その取り組みをさらに進めるため、コンテストを通じて他市町村の事例を学んでいきたいと考えています。