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ドイツの環境首都を歩く 「環境市民」の現地報告(20)

自然素材活用した支援センター 

再利用可能な断熱材 植栽で空気きれいに
エコロジーで企業育成

 雨水を利用して作られた小さな池にかかる木の橋を渡り、建物の中に入った瞬間、思わず驚きの声を上げてしまった。建物の中の方が外よりも緑が多いのだ。

 この光景だけ見れば、多くの人はここを植物園の温室と思ってしまうだろう。TÖZ(エッカーンフェルデ・技術とエコロジーセンター)はそんな建物だ。TÖZは、環境教育や環境活動を目的とした施設ではなく、実は43社のベンチャー企業が入居し、150人が働くビルで、その企業への支援も行っているセンターである。

 しかし、この建物自体がエコロジーを見事に具現化している。壁と屋根の断熱には、通常なら鉱物繊維を使用するところだが、TÖZでは十二種類の自然素材、例えば葦(アシ)、亜麻(アマ)、木綿、木質繊維、セルロース、羊毛くずなどを使用。暖房配管の防護には木綿を利用している。資材はリサイクル・再利用可能なもの、コンポスト処理可能なものを利用し、ポリ塩化ビニール樹脂や鉱物繊維、ポリスチロール、ポリウレタンなどは使っていない。

写真
TÖZのセンター内部。植物は建物内部の気温、湿度を穏やかにするとともに、人の心を落ち着かせる

太陽熱利用で空調を管理 

 中庭の北側に面する工房棟の壁には、焼いていない粘土レンガを使用している。昼間は熱を吸収し、夜間は放出する働きがある。壁は二重になっており、暖かい空気は下のすき間から壁の中に入って上昇し、天井近くの二重窓を通って中庭へ戻る空気の循環ができている。気温が上がり過ぎたときは窓は自動的に開き、熱をもった空気は外部に放出される。

 ガラス張りのホールでは太陽熱のパッシブ利用をしており、床からくる熱と昼夜の温度差を利用し、室内空間の自然空調機能を結びつけている。このようなシステムにより、冬場の冷え込みで外気温がマイナス20℃なったときでも、館内は6℃に保たれるという。

写真
TÖZの外壁。2重になっており、中に空洞があり、気温調節の働きをする
 

 植物も単に「ディスプレー」として置かれているのではない。植栽のコンセプトは「市場の開かれる広場。市場は人々と道とがそれぞれ出会うところだから。また伝統的な市場広場には、並木もつきものである」(設計にあたった国家資格園芸家のウーテ・シュトローム)。イチジク、キウイなど実をつける木、夏は木陰を作り冬は太陽の光を通す落葉樹、四季折々に咲く花々など、自然と人々の良い付き合いを演出している。また、植栽には、湿度や温度を調整し、快適な空気をつくり、屋内環境を整える効果もある。

 ドイツでは、ベンチャー企業は設立から5年以内に半数が経営に行き詰まるという。それを打開するため、ベンチャーセンターがドイツ各地で300以上作られ、経営相談やEUなどの補助金獲得のアドバイス、銀行融資の支援、事務代行などのサービスのほか、家賃を市価より少し低く設定するなどの支援が行われている。基本的に入居は5年以内とされているが、このようなセンター入居企業の5年以内の倒産率は全国で5%と格段に低くなっている。

経済と環境 共存を具現化

 ただ、エコロジーをテーマにし、建物もそのコンセプトで造られたのはTÖZだけで、多くの好影響を生んでいる。ひとつには、ここで開発された技術が他の建築物に応用されていくこと。すでに幼稚園などで実現されている。また、TÖZのあり方そのものが、エコロジカルな要求と経済活動は必ずしも相反するものではないという、具体的な証明となっている。

(NPO法人「環境市民」代表理事 すぎ本育生)

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第18回 新城市


平成17年10月1日、本市は1市1町1村の新設合併により愛知県の東部、東三河の中央で産声を上げました。面積は県内で2番目の広さとなる499km2。市域の約84%を山林が占め、併せ持つ国定公園や自然公園区域など県下でも有数の自然環境を有する地域に約5万2千人が暮らしています。

全国的には「長篠・設楽原の戦い」が有名で、初夏に開催される長篠合戦のぼりまつりや設楽原決戦場まつりでは、火縄銃実演の演武などもあり来場者を魅了しています。

平成20年3月、新市で初めての『第1次新城市総合計画〜山の湊しんしろ経営戦略プラン〜』が公募市民委員などにより策定されました。この総合計画では市の将来像を「市民(ひと)がつなぐ 山の湊(みなと) 創造都市」とし、その実現に向けた基本戦略のひとつに「環境首都創造」を掲げています。この目標を達成するため、行動の指針となる環境基本計画の策定をはじめ、環境審議会活動や環境事業評価の研究、全国の自治体との交流、「環境首都コンテスト」などの取り組みを推進し、持続可能な環境育成型市民自治社会の実現を目指しています。

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