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ドイツの環境首都を歩く 「環境市民」の現地報告(18)

知恵と工夫で自然を復元 

多様な動植物が生息 バケツを使い湖回復
屋上緑化で野鳥が産卵

 エッカーンフェルデ市は、自然環境調査にもとづいて全面的に土地利用計画を変更した。それに基づいて数々の自然復元がなされている。

 北部にあった小さな湖オーベレアイマーゼーは、以前の土地利用計画によって水をすべて抜き、数十年前から干上がったくぼ地となっていた。常識的には、湖に自然復元しようとすると大規模な土木工事が必要と考えられる。しかし環境課長パクシース氏はわずか2.9ユーロ(約480円)でそれを成し遂げた。

 地形からみて、地中に埋められた排水管の口をふさげば地下水で湖が回復すると考えた。そこで、その排水管の直径に合ったバケツを一個買ってきて口をふさいだところ、期待以上にうまくいき、奥の湿地帯と結びついた池になった。この池は「バケツ湖」と呼ばれ、新しい地図にもその名称が記されている。

写真
バケツで排水管をふさいだだけで誕生した「バケツ湖」は、今では豊かな自然があふれる(エッカーンフェルデ市)

河口の姿を取り戻した川 

 アシなど最低限の植物を湖岸に植えた他は、自然の遷移にまかされている。湖が再生して15年がたち、ハクチョウ、カモ、カワセミなど多くの鳥がみられるようになっている。この湖から流れ出てバルト海へ注ぐラクセンバッハという小川があるが、そちら側の岸辺は、子供たちが水遊びをし、人々が散歩する空間になっている。対岸は湖から散策路を遠のけ、生き物たちが安心して生息できる空間となっている。

 ラクセンバッハは、市街化に伴って直線化され、一部は地中の管を通され、本来の小川の姿からかけ離れたものになっていたが、可能な限り自然な川に戻された。道路の下の暗渠(あんきょ)になってしまっていた河口部は、海岸の護岸整備の際、暗渠を掘り返し、道路を橋にして河口の姿を取り戻した。

守られた希少なカエル 

 農地の中に小さな沼がある。この沼は植物相、動物相とも豊かで、希少なヨーロッパアマガエルが産卵する。しかし1984年ごろは、周辺の農地から流れ込む肥料や農薬、土砂で、湿地が損傷を受けていた。市は粘り強い交渉により周辺農地を買い取り、農業利用をやめた。

 さらに、自然植生に応じた樹木の植栽がおこなわれた。自然遷移を重んじながら潅木(かんぼく)が一面にひろがるのを防ぐため三年に一度、草を刈っている。これらの作業はドイツ労働総同盟が職業訓練の一環として協働事業で行っているので市の費用負担は少ない。現在は「カエル沼」と呼ばれるこの地には植物、両生類とも多様化を増している。

 市郊外の国道沿いに、丘の中に半分以上埋まったように見えるスーパーマーケットとガソリンスタンドがある。店舗の前面は普通の店舗と変わらないが、屋上は厚さ30センチの土を盛って緑化し、背面と側面は周囲の丘陵地と地続きに修景されている。

 これによって郊外の風景に溶け込むだけではなく、雨水の地下浸透を促し、夏の高温緩和にもなり、野鳥の産卵場所にもなっているという。このような建物となったのは、市がこの地域の開発管理計画で、屋上の80%を緑化しなければならないと定め、この条件を受け入れる事業者のみに進出を認めることとしたためである。

写真
丘陵と一体になったスーパーマーケットを側面から見る


(NPO法人環境市民代表理事 すぎ本育生)

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第18回 新城市


平成17年10月1日、本市は1市1町1村の新設合併により愛知県の東部、東三河の中央で産声を上げました。面積は県内で2番目の広さとなる499km2。市域の約84%を山林が占め、併せ持つ国定公園や自然公園区域など県下でも有数の自然環境を有する地域に約5万2千人が暮らしています。

全国的には「長篠・設楽原の戦い」が有名で、初夏に開催される長篠合戦のぼりまつりや設楽原決戦場まつりでは、火縄銃実演の演武などもあり来場者を魅了しています。

平成20年3月、新市で初めての『第1次新城市総合計画〜山の湊しんしろ経営戦略プラン〜』が公募市民委員などにより策定されました。この総合計画では市の将来像を「市民(ひと)がつなぐ 山の湊(みなと) 創造都市」とし、その実現に向けた基本戦略のひとつに「環境首都創造」を掲げています。この目標を達成するため、行動の指針となる環境基本計画の策定をはじめ、環境審議会活動や環境事業評価の研究、全国の自治体との交流、「環境首都コンテスト」などの取り組みを推進し、持続可能な環境育成型市民自治社会の実現を目指しています。

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